尿の回数がおかしくて…
血尿も出ていないかのう?
うさぎの尿の回数がおかしかったり、血尿が出ると心配ですよね。
まずは、本当に尿が多いのか少ないのか、血尿なのかどうか見分ける必要があります。
見分け方が分かれば、うさぎが病気なのかどうか判断することができ、治療を早く行うこともできますね。
この記事では、うさぎの適切な尿の回数や色、考えられる病気、原因や治療についてまとめました。
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血尿かどうかの見分け方
赤い血がでた!
焦らず冷静に正常か確認じゃ
まずは気になった尿の色が正常な色なのかどうかを確認する必要があります。うさぎの尿の色は餌の内容や水を飲んだ量などによって大きく変化するからです。
普段と違う色の尿が出ると驚くかと思いますが、焦らず冷静に尿の色が正常なのかどうかを確認しましょう。
尿の色が黄色・白色
尿の色がやや白く濁った黄色の場合は正常です。
うさぎを飼い始めたばかりの場合は白っぽいさらさらした尿に焦るかと思いますが、カルシウムの結晶が尿と一緒に排出されているだけですのでご安心ください。
クリームのように白い尿が出ることもありますが、続かないようであれば大丈夫です。続くようであればこの記事の「尿の量や回数は適切か」もご確認ください。
尿の色が透明
尿の色が透明な場合にはやや注意が必要です。
うさぎの体調が悪い場合には尿が酸性になるため、尿にカルシウムの結晶が溶け出して透明になります。※授乳中は透明な尿でも正常
何によって体調を崩しているのか考え、続くようであれば「尿の量や回数は適切か」もご確認ください。
尿が赤色・オレンジ
尿の色が赤やオレンジの場合には血尿なのかどうかを見分ける必要があります。
通常の尿の場合は、全体の色が変わっており、乾くと色が薄れます。
血尿の場合は、正常な尿の一部分だけが赤くなっており、乾いても色が濃く明るいままです。
血尿の場合は、この記事の「泌尿器の病気」の箇所をご確認ください。
尿が茶色
血の量が尿全体に混ざるほど多い場合もあります。
この場合は明らかに血とわかる濃い赤色で、乾いた尿の色も茶色(暗い褐色)くなりますので、膀胱炎や尿路結石、子宮疾患を疑いましょう。
メスのうさぎで避妊手術を受けていない場合は一刻も早く病院に行き、それ以外の場合はこの記事の尿路結石の箇所をご確認ください。
判断がつかない場合
赤色の場合は微妙なラインで判断がつかない場合もあります。
その場合は尿をスポイトなどでとって動物病院に持って行くか、ウリエースKCという市販の検査シートで確認をしましょう。
1,000円ちょっとで購入することができ、尿につけて青色に変わるか見るだけで血が混じっているかを確認することができます。
尿の量や回数は適切か
標準的なうさぎの尿の量は、1日100〜250ml程度、回数は2〜3回程度になります。
しかし、1日あたりの尿の量・回数は、餌を食べた量、水を飲んだ量、どれだけ運動したか、あるいは妊娠や搾乳、飼育環境、温度などによって大きく変化してしまいます。
量や回数をはかる場合にはトイレシートを裏返しておき、うさぎがおしっこをしたら回収しましょう。その子が普段どれくらいの量や回数行なっているか知っておくと便利です。
尿の量が急に増えた・減った
尿の量が急に減ったなぁ
尿路結石か腎不全かもしれん
急に尿の量が増えたり、減ったりした場合には尿路結石と腎不全を疑いましょう。
尿の量が増えた場合には慢性の腎不全、減った場合には急性の腎不全と尿結石の可能性があります。
詳しくはこの記事の「泌尿器の病気」の箇所をご確認ください。
何度もトイレに行くが量は少ない
トイレにはいくけど量は少ない
尿路結石か膀胱炎かもしれん
尿の回数が増えたという場合には尿路結石や膀胱炎を疑う必要があります。
トイレに行く回数の割に尿の量はあまり多くありません。トイレに行ってるわりには尿が少ないなと思ったら、トイレしているところを観察して見ましょう。
詳しくはこの記事の「泌尿器の病気」の箇所をご確認ください。
尿がでない・しない
尿がほとんどでない
急いで対処と治療法を確認じゃ
おしっこ自体をほとんどしていない、トイレには行くけどでない場合には尿道閉塞を疑う必要があります。
ここまで進行していると死ぬ可能性もあるので、急いで「泌尿器の病気」と「それぞれの対処と治療法」を確認しましょう。
「泌尿器の病気」はこの記事の真ん中あたりに記載しています。
ひどく臭う、ドロドロとゼリー状
尿にゼリー状のものが…
尿路結石か膀胱炎かもしれん
カルシウムの結晶の場合もありますが、尿がいつもと違いひどく臭う、ドロドロしてゼリー状という場合には尿路結石と膀胱炎を疑いましょう。
一緒におこなった糞の場合もありますが、この場合はうっ滞により腸の粘膜が剥がれている可能性もあります。
尿路結石と膀胱炎についてはこの記事の「泌尿器の病気」に、うっ滞については【食べない】うさぎの消化管うっ滞(毛球症)の対処法をご覧ください。
泌尿器の病気
尿の回数や量、血尿など、尿に何かしら異常がある場合は泌尿器の病気を疑いましょう。
泌尿系の病気は主に4つですが、特に尿路結石はいずれの病気の原因にもなるため、注意が必要です。
- 尿路結石:尿が通る場所に結石ができた状態 ※尿石症や尿結石とも呼ばれる
- 尿管閉塞:結石が出来るなどの原因で尿管が詰まった状態
- 膀胱炎:結石や菌の感染などで膀胱が炎症起こした状態
- 腎不全:結石や寄生虫などで腎臓が上手く働かなくなった状態
尿道閉塞の場合は緊急性が高いため、「それぞれの対処と治療法」をお読みください。
腎不全や膀胱炎の可能性がある場合は、尿路結石を先に読むことで、原因が尿路結石なのかどうか分かりやすくなります。
それぞれ、原因や治療法を詳しく見ていきましょう。
尿路結石の症状や原因
尿は様々な器官を通るため結石のできる位置も様々です。
出来る場所によって名称や併発する病気も変わってきます。
- 腎臓→腎結石→腎不全
- 尿管→尿管結石→強い痛み
- 膀胱→膀胱結石→膀胱炎
- 尿道→尿道結石→尿道閉塞
名前を覚える必要はありませんが、病院で何処の結石なのか注意して聞き、どの病気を併発する恐れがあるのか確認しましょう。
まずは尿路結石の症状を理解し、他の泌尿器の病気の原因になっていないか確認することが大切です。
症状
尿路結石の症状は主に7つです。
尿の量が少ないなと思ったら注意しましょう。
- トイレに頻繁に行く
- 尿の量が少ない
- 膀胱のあたりが張る
- 痛みでうずくまる
- 食欲不振
- 血尿
結石が詰まることで尿が出にくくなり、トイレに頻繁に行くけど量が少ない、尿が出ないので膀胱が張るといった症状が現れます。
尿管に結石が出来るなどひどく痛む場合には、うずくまる、食欲不振といった行動も見られるでしょう。
傷ができた場合には血尿の症状が見られますが、尿の減少から早めに気付くことが大切です。
原因と予防法
では、尿路結石の原因は何で、どのように予防すれば良いのでしょう。
尿路結石の原因は主に4つです。
- カルシウムの過剰摂取
- 水分不足
- 代謝異常
- 細菌感染
カルシウムも必要な栄養素ですが、大人になったらカルシウムを多く含むアルファルファの牧草は控え、チモシーの牧草を中心に与えるようにしましょう。
ペレットの成分にも注意し、給水ボトルはいつでも水が飲めるよう十分な量の水を入れてあげてください。
年齢別の餌の与え方については【年齢別】うさぎのエサやり方法と適切な量で詳しく記載しています。
膀胱炎の症状や原因
次に膀胱炎についてです。症状を見直して当てはまるものはどれか確認しましょう。
膀胱炎の主な症状は下記の5つです。
- トイレに頻繁に行く
- トイレに行ったのに尿が少ない
- 尿のキレが悪い
- 血尿
- 尿とともに膿のようなものが出る
尿が出にくくなる点で尿路結石とよく似ていますが、尿のキレが悪くなる、膿が出るなどの症状もあります。
原因を確認し、正しく対処しましょう。
原因と予防法
では、膀胱炎になる原因と予防法についてです。
主な原因は下記の4つです。
- 不衛生な環境
- 緑膿菌や大腸菌に感染
- 飲み水の不足
- 結石
行動範囲やケージ内、特にトイレは清潔に保ち、菌に感染しないように心がけましょう。
それ以外の予防・対策は尿路結石と同じになってきます。餌の栄養や水の与え方をもう一度見直し、注意しましょう。
腎不全の症状や原因
腎不全の症状は急性と慢性で大きく変わってきます。
それぞれの主な症状は下記の通りです。
急性
- 著しく尿が減少する
- 血尿
慢性
- 水を頻繁に飲む
- 大量のおしっこ
急性と慢性で全く逆の症状になりますが、尿の量自体が急激に変わったら腎不全だと思いましょう。
結石が原因の場合は他の病気と同じく尿の量が減ります。
原因と予防法
では、腎不全の原因や予防法はなんなのでしょう。
腎不全の原因も急性と慢性で大きく変わってきます。
急性
- 熱中症
- 尿管にできた結石
慢性
- エンセファリトゾーン原虫の寄生
- タンパク質、カルシウム、ビタミン Dの過剰摂取
- 老化
初期は症状が分かりにくいため、定期的に健康診断を受けて早期発見に努めるしかありません。
また栄養を過剰に取らないよう、牧草中心の粗食を心がけてください。
それぞれの対処と治療法
どの病気の場合も出来るだけ早く動物病院に行って治療を受けましょう。特に、尿が出ない尿道閉塞の場合には、1日半で命を落とす可能性もある病気です。
血の量が多い場合や尿道閉塞の場合は、夜遅い場合でも夜間や救急の動物病院を探しましょう。
うさぎを診れる動物病院は少なく、夜間救急に対応している病院はさらに少なくなるため、動物病院の検索サイトを使うと良いでしょう。
尿路結石や尿管閉塞の治療
尿路結石や尿管閉塞の場合、まずレントゲンで結石の位置や大きさを確認します。
軽症の場合は食事療法や利尿剤で自然排出を促しますが、症状によってカーテルの挿入や外科手術が必要になることもあるでしょう。
手術後は、自宅で安静に出来る環境を作る事が大切です。
膀胱炎の治療
膀胱炎の治療は、まず尿や血液検査、レントゲン検査を行い原因を特定します
症状に合わせ、炎症抑える抗生物質、鎮痛剤、利尿剤を投与する事になるでしょう。
腫瘍が原因で膀胱炎になっている場合は、手術をする事もあります。
腎不全の治療
腎不全の治療の場合、まず尿検査や血液検査を行い進行状況を症状を確認します。
輸液、結石の除去、抗生物質の投与を行いますので、手術の可能性もあるでしょう。
寄生虫が原因の場合はすぐに特定出来ず、治療にも時間がかかることもあります。
まとめ
尿の量や回数、血尿などの状態から様々な病気を早めに確認する事が出来ます。
尿路閉塞などは命に関わり、手術になると費用も多くかかってくるため、怪しい場合は早めに動物病院へ行くようにしましょう。
予防の為に、日頃から食生活や飲み水に注意する事が大切です。
また、今回を機にうさぎの病院代が心配になった方、気になる方は、ペット保険についても検討しましょう。
うさぎのペット保険は数が少ないうえに、2~3歳までしか入れないことがほとんどです。
高齢になり病院のお世話になることが増えてから検討しても、入ることができません。
実際にペット保険に入っていなかったうさぎ店長の実体験記事も掲載しています。
気になる方はうさぎにペット保険は必要か?実体験から得たポイント3つもご覧ください。
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