息が苦しくて動けない…
様々な病気が考えられるぞ
うさぎの呼吸が早い・荒い、ぐったりとして動かないなどの症状があると心配ですよね。
これらの症状は熱中症やその他の病気の可能性があるため、それぞれにあった早急な対処が必要です。
それぞれの病気にあった適切な対処ができるよう、症状を詳しく理解し、見分けられるようになりましょう。
この記事ではそれぞれの病気の見分け方と、熱中症に関する詳しい症状や対処法をまとめました。
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うさぎの呼吸数と呼吸の仕方
まずはうさぎの呼吸が異常なのかどうかを確認する必要があります。うさぎの呼吸数を測ってみましょう。
うさぎの呼吸数は1分間に30〜60回程度で、15秒間数えて4倍することで測定できます。うさぎの呼吸は分かりづらいため、抜け毛やティッシュなどを鼻先に持っていくと呼吸を感じやすくなるでしょう。
ただし、それでも測定は難しいことが多いので、日ごろからうさぎの呼吸をチェックしておくことが大切です。平常時を知っておけば異常にもすぐ気付くことができるでしょう。
異常な呼吸
呼吸が荒いかどうかの判断基準は?
普段の呼吸と見比べるのじゃ
うさぎは体に占める胸腔の割合が小さく、息も浅いので、呼吸をしても胸やお腹が大きく動く事はありません。
鼻の動きはヒクヒク、胸の動きは気づかない程度が正常です。また、呼吸音は静かなのが普通です。
一見して異常と分かる状態は、心臓や呼吸器の病気が重症化している可能性が高いでしょう。
うさぎの呼吸が早い・荒い原因は?
では、うさぎの呼吸が荒い・早い場合にはどのような原因が考えられるのでしょう。
主に考えられるのは下記の3つです。
- 熱中症
- 胸水症などの肺や心臓の疾患
- スナッフル(鼻炎・肺炎)
- 肥満
肥満以外の病気については、他にどのような症状が現れるのか知っておくことで見分けることができます。
それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。※肥満は元々気にされている場合が多いと思いますので省きます。
熱中症
人間も夏によく聞く症状ではありますが、暑さにより体温調整が上手くできなくなった状態です。
うさぎは暑さに弱い動物で、室温が29度を超えると体熱の放射が十分にできず、体温が上昇し、急に動かなくなったり、苦しんだりし始めます。
症状を見極め、早急に対処する必要があるため、次の項も確認して熱中症かどうかご確認ください。
胸水症などの肺や心臓の疾患
胸水症とは、うさぎの胸部に水が溜まり呼吸器官を圧迫している状態です。
肺や心臓の病気で体内に液体が溜まっている場合は、お腹を使って息をし、呼吸が荒く、ぐったりとしてしまいます。
胸水症については、うさぎの正常な呼吸と呼吸困難の違い【胸水症かも】にも詳細を記載しています。
スナッフル(鼻炎・肺炎)
スナッフルとは呼吸器官に何かしらの異常が発生している状態です。
くしゃみ、鼻水が出て鼻や胸の周りや鼻水を拭いた前足の内側の毛が固まる、鼻涙管が詰まって涙目になり涙が白濁する、呼吸音がおかしいなどの症状が現れます。
スナッフルの可能性がある場合には【くしゃみ|鼻水】うさぎのスナッフル|原因、対処、治療法などをご覧ください。
ぐったりして動かない原因は?
呼吸が上手く測れない、熱中症の可能性がある、呼吸は正常な気がするがぐったりとしているという場合には下記の病気を疑う必要があります。
うさぎがぐったりとして動かない原因は主に4つです。
- 胸水症
- 熱中症
- 消化管うっ滞(毛球症)
- 骨折・脱臼
呼吸が荒い症状もある場合には、熱中症と胸水症との見分け方が重要になるため、さらに詳しい情報を載せています。
それぞれの病気や症状について詳しく見ていきましょう。
胸水症
症状とについては先ほどの項で記載した通りですが、呼吸が荒く、ぐったりして動かなくなるという点で熱中症に似ています。
まずは部屋の温度と湿度を確認し、26度、60%を超えている、微妙なラインであれば熱中症をご確認ください。
超えていない場合には先ほどの胸水症の箇所をご確認いただければと思います。
熱中症
部屋の温度や湿度が26度、60%を超えている、それに近い状態であれば熱中症の可能性が高くなります。
熱中症の場合の詳しい症状は以下の通りです。
- 呼吸が荒い
- ぐったりと横たわったまま動かない
- 痙攣
- 口や鼻の周りが鼻水やよだれで濡れている
- 耳が充血して赤い・熱い
そのほか、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)を起こしたり、症状が重い場合には鼻や口、尿から血の混じった体液を出すこともあります。
熱中症に対処する場合、まずは原因となっている理由を排除することが大切ですので、この記事の熱中症の原因をご確認ください。
消化管うっ滞(毛球症)
何らかの原因で胃腸の働きが弱くなっている状態を消化管うっ滞といいます。
食欲が低下する、糞が小さくなる、粘膜がついた糞が出るなどの症状が見られ、うずくまって歯ぎしりをしたり、お腹が張って触られないように嫌がるなどの行動が見られます。
消化管うっ滞については【食べない】うさぎの消化管うっ滞(毛球症)の対処法に詳しく記載しています。
骨折・脱臼
四肢を骨折すると足を地面につけない、または引きずるような行動が見られ、腰椎骨折の場合は腰から後ろに足にかけて麻痺し、尿や糞を自力で出せなくなることもあります。
脱臼では患部が腫れたり、触ると痛がります。
外科手術の必要がある場合もあるため、うさぎに詳しい動物病院を受診しましょう。
熱中症の原因と対策は?
熱中症は気温が高いとなりやすいと思われがちですが、実はそれだけではありません。
主な原因は下記の4つです。
- 長時間直射日光に当たる
- 風通しが悪い
- 温度、湿度の高い環境下
- 水分不足
うさぎもある程度までは長い耳から体熱を放散してしのぎますが、温度が26度、湿度が60%を越えると上手く体温調整ができなくなります。
意外ですが、気温よりも、湿度が高い場合の方がかなり危険な状態になりやすいので注意しましょう。
対策
暑い日本では、熱中症の対策が必須のため確認しておきましょう。また、熱中症を発症している場合にも、まずは原因を取り除く必要があるため、対処としても使えます。
主な対策方法は次の4つです。
- 室温は16〜26度、湿度は40〜60%
- ケージは風通しが良く直射日光が当たらない場所に設置
- ただしクーラーの風が直接当たらない所
- 常に水を飲めるよう多めに用意
日本の気候では、夏と冬にエアコンを付けっ放しにし、湿度が高い日には除湿モードや除湿機で湿度を下げる必要があります。
温湿度の調整に関してはうさぎ飼育の適正温度|夏冬対策は大丈夫?を詳しくご確認ください。
熱中症の対処と治療は?
原因を取り除くことができたら次は体温を下げる対処と治療が必要です。
うさぎはとても熱射病にかかりやすく、夏場などちょっとした油断から簡単に発病して死んでしまいますので、以下の手順で速やかに対処・治療を行いましょう。
- 水で濡らしたタオルで耳や顎の下を冷やす
- 呼吸数が測れるようなら測る
- 病院に連絡でき次第、早急に病院に連れて行く
- 車での移動中も温湿度に要注意
- 点滴やステロイド剤などの投与
急激に冷やしすぎるとショック状態に陥りますので、氷水は使用しないでください。
健康なうさぎであっても、動物病院では緊張してしまい正確に呼吸数を測れない場合があるので、家で計測できるのであればしておくと良いでしょう。
落ち着いても病院に行く必要があるか
落ち着いてきたしもう安心
まだまだ安心はできんぞ
重症の場合は内臓機能まで損傷してしまいますので、水に濡らしたからもう大丈夫などと言う勝手な判断はしないでください。
かなり死亡率の高い病気です。ぐったりして頭がたれた状態が続く場合などは早めに動物病院に連れて行きましょう。
うさぎを見れる動物病院は少ないため、動物病院検索サイトを活用すると便利です。
まとめ
うさぎの呼吸が荒い場合やぐったりとしている場合には様々な病気が考えられます。
特に両方の症状が確認できる場合には熱中症か胸水症の疑いがあり、どちらにしろ早急な対応が必要になります。
原因を取り除き、早急に動物病院に連れて行くようにしましょう。