胸が苦しいんだ…
胸水症かもしれんぞ
ふと、うさぎの呼吸数や呼吸音が気になることはありませんか?
一時的に呼吸が荒い場合もありますが、常態的に呼吸が苦しそう、呼吸困難である場合には胸水症や肺炎、熱中症などの疑いがあります。
それぞれ危険な状態になりますので、正常な呼吸と呼吸が苦しい時の見分け方と一緒に考えられる病気をまとめました。
スポンサーリンク
うさぎの呼吸の測り方
まず、うさぎの呼吸が異常かどうかを知るためには、普通の呼吸がどの程度の早さなのかを把握しておかないといけません。
基本的に、うさぎの正常な呼吸数は、安静時に1分間で45〜55回程度と言われています。
「なるほどね!ちょっと測ってみようか」と思った飼い主さん。少々お待ちください。
うさぎの呼吸は鼻の動きと連動していない上に、お腹の動きも心臓と連動しているため、非常にわかりづらくなっています。
さらに、うさぎはちょっとしたことで呼吸数が変動しますし、個体差もあるので、一概に1分間で45〜55回程度という数字があてにならないことも多いです。
「じゃあどうしたらいいんだ!」という飼い主さんも安心してください。普段の心拍数を把握しておくことで呼吸が異常なのかどうかを把握する方法があります。
心拍数と呼吸数の関係
ではどうやってうさぎの呼吸数の異常を心拍数から把握するのでしょうか。
基本的に、うさぎの心拍数は1分間で120〜333回程度で、心臓の鼓動と呼吸のペースが連動していると言われています。
そのため、心拍数が早ければ呼吸も早い、心拍数が遅ければ呼吸も遅いとなります。
1分間で120〜333回程度の心拍なら正常なのね
いや、普段と比べないとならん
ただし、注意しないといけないことは、「じゃあ心拍数が1分間で120〜333回程度であれば良いのね」とはならないことです。
先ほども話した通り、うさぎの呼吸数には個体差があり、ちょっとしたことで変化します。
そのため、普段のうさぎの心拍数と比べて変化が無いかを見ないといけません。
「いやいや、普段の心拍数とか知らないけど、今呼吸が早いかもしれないんだよ」という飼い主さんもおられるかと思いますので詳しく見て行きましょう。
呼吸の異常について
では、普段の心拍数など知らないという方はどのように呼吸の異常を把握すれば良いのでしょうか。
ポイントは呼吸数を測ることに神経質にならず、4つのポイントに気をつけることです。
- 飼い主が違和感を感じる程早い、遅い
- 呼吸音がおかしい
- 上を向いて呼吸をしている
- ぐったり、もしくは暴れて苦しそう
違和感というのは抽象的かもしれませんが、いつもその子を見ている飼い主さんが違和感を感じるのであれば、原因を確認する十分な根拠になります。
食後だから、びっくりしたから心拍数が上がっていた、寝ている時やリラックスしている時で心拍数が落ち着いていただけだったということもあるでしょう。
しかし、違和感を感じたということは何かしらの変化があるはずなので、その原因をはっきりさせておくのは重要なことなのです。
呼吸が荒い、遅い
まず、仔うさぎの呼吸が早い、老うさぎの呼吸がゆっくりなのは、ある意味自然ではあるので、いつもと変わらないのであれば少し気にしておく程度で問題ありません。
しかし、大人のうさぎの呼吸が荒い、遅い場合には下記の可能性を考えましょう。
荒い、早い場合
- 消化管うっ滞(毛球症)
- 呼吸器疾患(スナッフル)
- 暑い
- 肥満
- 幼い
遅い、不規則な場合
- 衰弱
- 高齢
一緒に出てくる症状として、食欲がないのであれば消化管うっ滞(毛球症)、鼻水やくしゃみがあるのであれば呼吸器疾患(スナッフル)の可能性が高いです。
これらの症状が見られないのであれば、部屋の温度が16〜26度、湿度が40〜60%の中に収まっているか確認しましょう。耳が熱いようであれば熱中症の可能性があります。
上記の症状が当てはまる、もしくは肥満でもなく一日中呼吸が激しいようであれば病院に行きましょう。
呼吸音がおかしい、大きい
呼吸音がおかしい場合は呼吸器疾患(スナッフル)の可能性が高いです。
鼻からグジュグジュ音が…
スナッフリング・ノイズじゃな
スナッフリング・ノイズと呼ばれるグジュグジュという変な呼吸音は、鼻炎が悪化して肺炎まで進行していっている場合の代表的な症状です。
呼吸音がヒューヒュー、ブーブーと鳴っている場合は問題が無いこともありますが、なにかしら原因があって鳴っているので病院で診てもらった方が良いでしょう。
呼吸困難、浅い
呼吸困難、息が苦しそうという場合も危険な可能性が高いので病院に行きましょう。
考えられる病気は以下の通りです。
- 熱中症
- 肺炎
- 胸水症
熱中症と胸水症の場合にぐったりしていることが多く、肺炎の場合は鼻水や発熱などが見られます。
また、ぐったりしていなくても、うさぎが上向きで呼吸をしている場合や口を開けている場合には相当苦しい状態かと思われます。
うさぎの病院探しは大変かと思いますが、動物病院の検索・予約サイト【EPARKペットライフ】などで探し、少しでも早く病院に行くようにしましょう。
胸水症とは
胸水症とは、うさぎが心疾患や胸部の腫瘍などの原因によって、胸部に水が溜まり呼吸器官を圧迫する病気です。
症状やサインとしては呼吸が荒くなり、ぐったりして動かなくなります。
対策や予防法は、免疫力を高く保つために普段からストレスを与えない生活を心がけるしかありませんが、ガンになるのは高齢になると避けられないものとも言えるでしょう。
- 清潔な飼育環境
- 適切な温度管理
- 年齢にあった食事
- 適度な運動
- 適切なスキンシップ
胸水が溜まっている時点でかなり危険な状態なため、飼い主さんが出来る応急処置や対処法はなく、早急に診察を受ける必要があります。
病院ではレントゲン検査を行い、白いモヤのようなものが肺を圧迫しているようであれば胸水症と診断されます。
治療法
胸水症の治療法自体はレントゲン撮影で注射針を刺す位置を確定し、針をさして胸水を吸引することになります。
胸水症は治らないの?
年齢や体力によってはな…
しかし、元となる心疾患や胸部の腫瘍は年齢によって手術が難しく、少しでも長く生きるため抗生物質や抗がん剤などを投与して酸素室で過ごすということも多いです。
うさぎと最期をどう過ごすのか、看取り方についても考える必要が出てくるでしょう。
治療費
治療費としては酸素室をどれだけ使うかどうか、手術を行うかどうかで大きく変わってきます。
動物病院ごとに診療費は設定することが出来、情報自体も少なく、不明確な点も多いので参考程度にしていただければと思います。
- 診察費:1,000〜2,000円前後
- レントゲン:4,000〜6,000円前後
- 酸素室:30分2,000〜3,000円前後
- 手術費用:100,000円以上
- 注射などの薬:2,000〜5,000円前後
また、自宅で看取りたいという方は酸素室のレンタルを行なっている会社もあり、費用は40,000円程度になってきます。
うさぎとの最後にどういった選択肢をとるのかは、うさぎの看取り方などから知っておくと後悔も少ないでしょう。
ペット保険
まだ胸水症にはなっていないけど治療費について心配になったという方は、ご自分でうさぎ貯金を行うか、ペット保険に加入しておくか早めに検討しておいた方が良いでしょう。
ペット保険には年齢制限があり、長いところでも3歳前後までしか加入できないことがほとんどです。
ペット保険に入って変わるの?
治療の選択肢が増えるかもしれん
ペット保険に加入しておくことで、最後に後悔しない選択肢が取れることもあります。
うさぎのペット保険は少ないので、ペット保険一括資料請求からうさぎを選択することで、探したり比較する手間が省けます。