ブラッシングと聞くだけで大変そうと思っていませんか。私も正直ブラッシングは最初めんどくさいな、大変そうだなと梳かず嫌いをしていました。
必要な道具も色々種類があるし、どれくらいの頻度でやるかもわからない。うちの子抱っこも嫌がるし、もしやりすぎて傷付けてしまったら。
ただ、正しい知識をつけてからは完璧にやる必要はないんだと気が楽になり、綺麗にブラッシングできるようになりました。
今回はその方法をまとめましたのでぜひ活用していただければと思います。
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目次
どうしてブラッシングが必要なの?
ブラッシングについて調べているとグルーミングという言葉が出てきます。
グルーミングとは爪切りや耳の掃除などうさぎの手入れ全般を指し、ブラッシング毛の手入れのみを指します。
どれもうさぎが怪我をしないため、病気にならないために必要なことです。今回はブラッシングについて効果や手順をまとめました。
ブラッシングの効果
ブラッシングを行う1番の理由として、うっ滞や毛球症を予防することが挙げられます。
毛球症とは腸に毛がたまり、円滑に身体から排出できないことで更に腸の働きが弱まってしまう病気で、5歳以上の高齢のうさぎが最もかかりやすく致死率が高い病気として有名です。
特に換毛期は抜け毛が多く、きちんとブラッシングしてあげないと、綺麗に生え変わらずに皮膚病になる、大量の毛を飲み込んでしまって毛球症になってしまうリスクが上がります。
ブラッシングはコミュニケーションでもあり、身体に触ることでノミやダニ、フケに気付いてあげられたり、腫れていたりなどの身体のチェックになります。
必ず行ってあげるようにしましょう。
換毛期の時期
うさぎの毛が生え変わる量が多い時期を換毛期といい、年に4回、3ヶ月ごとにあります。春夏秋冬それぞれの季節に適した毛に衣替えをしていると考えていただいて大丈夫です。
特に毛が抜ける量が多いのは春(3~5月)と秋(9~10月)の2回の為、夏と冬の換毛期は抜かして2回と記載されているサイトもあります。
温度管理がしっかりされている場合、換毛期の回数が減ることもありますが、日頃からブラッシングがちゃんと出来ていれば毛はしっかりと生え変わっているので、心配する必要はありません。
換毛期は飼い主さんにとっても大変な時期です。抜け毛がひどく、毛が家を舞うためストレスもかかりますが、ブラッシングで少しでも軽減して楽しいうさぎライフを過ごしましょう。
いつからブラッシングを始めていいの?
いつからやっても大丈夫というものはありませんが、大体の目安はあります。
仔うさぎの場合肌が弱くデリケートな為、ブラシなどで傷つく可能性があります。生後半年くらいになってくると大人うさぎの仲間入りですのでブラッシングを行うことができます。
ただし、いきなりブラシをすると驚いてしまうのと、生後半年経たなくても換毛期に入ると抜け毛が酷く、ブラッシングが必要になるため、生後4ヶ月くらいから始める人が多いです。
ハンドグルーミングから始め、嫌がらないようであればブラシに移行し、少しずつブラッシングの時間を伸ばしていきます。
※ハンドグーミングのやり方は本記事のブラッシング方法の中に記載しています。
4ヶ月未満であっても抜け毛はあるため、体調チェックの意味も含め、手ぐしで余分な毛は取るようにしましょう。
4ヶ月経っていても、ブラッシングを行わないケースがあります。お家に迎え入れたばかりの飼い始めは、うさぎのストレスも多いためすぐにはブラッシングを行わないようにしましょう。
1週間くらいかけて飼育環境に慣らしていき、自分から寄ってくる、触っても大丈夫になってからブラッシングは始めると良いです。この場合もいきなりブラシを使って行うのではなく、ハンドグルーミングから開始するようにしましょう。
抱っこもさせてくれるようになれば本格的なブラッシングを始めてい良い時期と言えるでしょう。
やりすぎはよくない?適切な頻度・時間は?
いくらブラッシングが必要だと言ってもやりすぎは良くありません。
頻度としては毎日でも構いませんが、1回あたりの時間は5分から10分程度行うようにしましょう。うさぎがブラッシングに慣れていない間は5分程度に収め、慣れてきてから増やしていくことで15〜20分程度行えるようになってきます。
頻度に関してもその子の状態によって変わって来るところがあり、一概にこれだけ必要、これ以上やってはいけないというものはありませんが、出来るだけ毎日撫でてあげ、手に毛がつくようであればブラッシングが必要だと判断できます。
一例として、毎日手で撫でてあげながら毛の様子をチェックし、週2〜3回程度簡単なブラッシング、そのうち一回は本格的なブラッシングを行う。換毛期だけは毎日簡単でも良いので行い、時間が空けば丁寧にやってあげる程度が良いかもしれません。
うさぎの種類によってやり方は違う?
うさぎの種類によってブラッシングのやり方や必要な頻度は変わってきます。
ウサギの毛は地肌に近い部分に生えているアンダーコートと、毛の色を表す表面のガードヘアーの2層に分かれており、ネザーやホーランドはアンダーコートの密度が高いロールバックと言われるタイプになります。
アンダーコートが薄い場合にはフライバックと呼ばれる気質になりイングリッシュロップなどが挙げられます。見分け方としては毛の向きに逆らって撫でた際にゆっくりと戻るようであればロールバック、そのままの場合はフライバックになってきます。
換毛期はアンダーコートもガードヘアーも早く変わるため、両方がきちんと抜け変われるようブラッシングで手伝ってあげましょう。
また同じ種でも個体によってそれぞれの毛の比率はバラツキがあります。それぞれの毛に対するブラッシングの方法が異なるため、アンダーコートの密度によってそれぞれの作業にかける時間が変えると良いです。
長毛種家短毛種なのかによってもブラッシングの仕方が異なってきます。
アメリカンファジーロップのような長毛種に短毛種と同じ方法でブラッシングをするとガードヘアーが絡まっている場合うまくブラッシングすることができません。レッキスなどのような、抜け毛が少なく、週に1回程度のブラッシングで問題ない種もいます。
今回はそれぞれのブラッシングがアンダーコートとガードヘアーのどちらに対しての作業なのか、長毛種の場合追加で行う作業は何かまでまとめてあるので、自分のうさぎの毛の性質を理解して行ってあげましょう。
ブラッシングの方法と必要な道具は?
面倒臭い印象のあるブラッシングですが、正しい方法やうさぎの嫌がる箇所へのブラッシングの仕方を学び、コツを掴めば5〜10分ほどで終わる作業となります。
便利なブラッシング用品、おすすめの道具を使えば手順は増えますが、ブラッシング自体の時間が短縮できるため、結果的に楽になります。
今回はかなり丁寧にブラッシングする方法をまとめましたので、それぞれの用途や理由を把握して、うさぎの状態に合わせて使ってあげてください。
やりやすい場所に移動
お風呂やバルコニー、ベランダ、庭などがおすすめの場所です。ブラッシング中も結構な毛が舞うので、掃除を考えるとこれらの場所は後片付けが楽だからです。
外で行う場合にはカラスなどの鳥や、うさぎが落ちてしまうような所はないか注意しましょう。衣服にも毛はつき易く、外でやる場合には要らない服で行う必要があります。
それも面倒、ベランダ等に十分な広さが無くてやりづらい、上記の注意点が改善出来ない場合はお風呂場もおすすめです。お風呂であれば裸で行い、終わった後水でお風呂場を洗い流すだけでオッケーです。
爪が切られてないと痛いので、タオルやトイレシートの上でやると良いでしょう。
どちらも狭くてやりづらいという場合は集毛機を使う手もあります。1,000〜5,000円程度でそこまで高価なものではなく、しっかりと毛を集めてくれるのでおすすめです。
抱っこして落ち着いてもらう
飼い主がブラッシングしやすいよう、膝の上に抱っこして色々な箇所を触れる状態にしましょう。
この時、うさぎが嫌がっていたり不安がっているようだと暴れて上手く出来なくなってしまいます。普段から抱っこしても落ち着いてもらえる関係を築いておきましょう。
抱っこが出来たら、次はしっかりと撫でてあげながら声をかけてリラックスして貰います。鼻がヒクヒクと素早く動いていたり、ゴソゴソ動き続けている場合はまだまだ落ち着いて無い証拠です。
どうしても落ち着かない場合は、肘や股のあたりに顔を埋めて貰い、目を隠してあげることで落ち着き易くなります。
※長毛種のみ|静電気防止スプレー
長毛種の場合は静電気が酷い場合が多々あります。このままブラッシングを行うと、ブラシが掛からなかったりゴミが絡まったりで上手く出来ません。
スプレーをする際には目にかからないように手で覆ってかけてあげて下さい。
必須ではありませんが、長毛種の場合は行った方が結果手に楽になるでしょう。
※長毛種のみ|コームで絡まった毛をほぐす
長毛種の場合、毛が絡まっていてブラシが途中で引っかかる、最悪無理に引っ張って必要な毛まで抜けてしまい暴れてしまうという可能性があります。
まずは目の粗いコームで全体的にほぐし、次に目の細かいコームで綺麗にしてあげると、ブラッシングが楽になります。
引っかかった場合うさぎがびっくりして暴れてしまうので、毛の根元を掴み、掴んだ毛だけコームでほぐしてあげるようにする事で、引っかかった場合も指で毛が皮膚を引っ張るのを抑えることが出来ます。
どうしても解けない毛がある場合は切ってしまいましょう。
グルーミングスプレーでマッサージ
グルーミングスプレーを行うと、静電気を抑えたり、毛が舞い散りにくく、ブラシが通り易くなるのでブラッシングが楽になります。
毛や皮膚に栄養を行き渡らせ、毛艶を良くする、病気から守る効果があるため、ブラッシングでの皮膚へのダメージを軽減する意味もあります。うさぎが舐めても安心どころか、それによりお腹の調子を整えるものまであります。
使い方としては、うさぎの目にかからないように手で覆いながら身体全体に吹きかけていきます。全体がしっとりと湿るくらいが適量です。
目に入るのが怖い、均一に馴染ませたい場合は手に吹きかけてしっかり馴染ませてから揉み込んで行くと良いです。指で握りこむようにして根元まで揉み込んでいくきます。男性であれば、ワックスをつける時の感覚に近いものがあります。
イメージしづらければうさぎが嫌がらない程度にぐしゃぐしゃとマッサージする感じでも、根元まで行き渡っていれば問題ありません。終わったら両手をこすり合わせるだけで手についた毛をまとめて取ることが出来ます。
これだけでも結構な毛を取ることが出来ハンドグルーミングとも呼ばれます。ブラッシングに慣れさせる為、ハンドグルーミングだけの場合は、この後手ぐしをしてあげればオッケーです。
ブラッシングで余分な毛を取る
大まかにいうと2種類のブラシを順番に身体全体に通す、これだけです。人間の髪をブラシでとかすのと一緒、その時余分な毛が抜ける、ぐらいの熱量で大丈夫です。
難しそうなイメージが先行しがちですが、これくらいのささっと終わらせるイメージでいると上手くいきます。
アンダーコートの不要な毛を取り除く
アンダーコートの毛をブラッシングする時使うのはスリッカーブラシです。手のひらで握ると強すぎて傷付けたり、抜けすぎてはげてしまう為、指で根元を摘む程度の強さが良いでしょう。
面積が広くやりやすい背中と脇腹あたりから梳かして行くとやり易いです。
まずは毛並みとは逆向きに梳かします。この時反対の手で毛を立ててから根元にブラシを当てるようにしましょう。逆向きが終わったら、毛並みに沿って梳かして整えます。片方の脇腹が終わったら向きを変えてもう片方の脇腹も同じように行います。
うさぎが嫌がり易く難関であるお腹は、脇腹ついでに出来たらやろうくらいの気持ちで構いません。そこまで無駄毛が無く、抜け毛も少ない為、脇腹をブラシする際に少しずらしてブラシを潜りこませるようなイメージです。難しければハンドグルーミングの際のマッサージで十分です。
両方の脇腹が終わったら次はおしりです。尻尾付近は抜け毛が多く不衛生になりやすいので気持ち丁寧に、ただしデリケートな部分なので優しく行います。同じく毛を立てて根元から毛並みに逆らうように行い、次に毛並みに沿って整えるという順番です。
おしりついでに後ろ足も面積の広い部分は行うと良いでしょう。お腹同様嫌がる所なので、細かい箇所はやらず、面積の広いやり易い所を嫌がらなければ程度で構いません。ちなみに前足は無駄毛、抜け毛がほとんど無く、嫌がるので必要ありません。
最後に頭です。同じく毛並みが逆らって根元から行い、毛並みに沿って整える順番です。目や耳など細かい所に引っかからないよう、頭頂部だけで問題ありません。
ガードヘアーの不要な毛を取り除く
アンダーコートのブラッシングがちゃんと出来ていれば、一緒にブラッシング出来ているので丁寧にやる必要はありません。使うブラシもラバーブラシになる為、強く丁寧にやり過ぎると抜け過ぎる原因になります。
どれくらいの強さが良いかというと、優しくなでるように全体的に前後させればオッケー。
コームやブラシで整える
ブラッシングの仕上げです。もう一息!コームや獣毛ブラシで全体的に梳かしてあげて、毛の間に挟まっている毛を取り除きましょう。
この仕上げを行う事で、毛並みが整い、毛艶が出るため、可愛く仕上がります。マッサージ効果もある為、うさぎも少し落ち着いてくれます。
ご褒美のおやつで機嫌をとる
ブラッシングはうさぎにとって非常にストレスがかかります。自然界では風や草木に擦れて自然に出来ていた事を、固定されてあちこち触られてしまうからです。
ブラッシングを嫌がるようになると、毎回一苦労。さらに嫌がられて、飼い主もどんどん憂鬱になってしまうという悪循環に。頑張ってくれたご褒美におやつをあげ、沢山褒めてあげる事でブラッシングの後は良いことがあると覚えて貰いましょう。
ブラッシングのストレスを軽減するためにもとても大切なことです。
コロコロなどで毛を集めて捨てる
せっかくブラッシングをしても、その毛が部屋中を待っていては毛球症になりかねません。飼い主さんにとってもストレスになるはずです。
オススメはコロコロ。服やカーペット、色々な箇所の毛を綺麗にとってくれます。
どうしても部屋に毛を少しでも舞わせたくないという場合は場所を変えたり、集毛機を使いましょう。
上手く出来ない原因は?
ブラッシングのやり方に問題があるか、触られるのを極端に嫌がる子かのどちらかです。
毛球症などの病気を防ぐ為にもブラッシングをしないという選択肢は無く、出来るだけブラッシングのやり方を改善して行うようにし、どうしても嫌がる子には抱っこやブラシを必要としない方法でこまめに行うよう切り替えましょう。
ブラッシングが嫌いな子が取る行動
ブラッシングを嫌がる場合は無理やり行おうとせず、ハンドグルーミングやラバーブラシでササッと終わらせておやつをあげましょう。
暴れる、逃げる、腕を噛む、足ダンするようであれば相当嫌がっているのですぐに切り上げたほうが良いです。強めの歯ぎしりや、もぞもぞ動き続けてブラッシングできない時は怒っていたり興奮しているので、キリの良いところですぐに切り上げましょう。
させてくれないからといって強引に行おうとすると怪我の元です。
ブラッシングの強さは適正か
ブラッシングを強く行いすぎると毛が抜けてはげてしまったり、皮膚を傷つけて皮膚病の元になってしまいます。また、うさぎが嫌がり、ブラッシング嫌いになってしまう可能性も。
スリッカーブラシは手のひらで握るのでは無く、指でつまむように持って毛の根元に対して行い、ラバーブラシは撫でるように優しく表面から前後に動かしましょう。
この強さで出来ないようであれば、ハンドグルーミングが十分に行き渡ってなかった可能性があるので今回はあきらめましょう。次回は上手くいくかもしれません。
絡まったりすると躍起になってブラシを通したくなりますが、ブラッシングはうさぎにとって嫌な事で、ストレスになり、ブラッシングが嫌いになるとさせて貰えなくなって悪循環となります。
ブラッシングに時間をかけ過ぎていないか
文字に起こすと結構な作業量に見えますが、それぞれの箇所は1〜2分程度で構いません。また、普段はラバーブラシで舞いやすいガードヘアーだけ1〜2分でささっと終わらせるでも構いません。ラバーブラシでもある程度アンダーコートは取れます。
ブラッシングのコツは、力を入れすぎず、時間もかけず、適当にやるという事です。極端な言い方をしましたが、うさぎも飼い主もブラッシングを嫌いにならないことが大切です。
一回で完璧にやり切ろうと思わず、上手く出来なかった所は次回やれば良いかくらいの気持ちで行いましょう。
どうしてもブラッシングを嫌がる子には
どうしてもブラッシングを嫌がってやらせてくれないこの場合は、もう一度手ぐしやハンドグルーミングだけを行うレベルからやり直してみましょう。そもそも抱っこが苦手な場合は、そこから練習する必要もあります。
それでも難しく、根本的に触られるのが嫌いな場合は抱っこせずにブラッシングする方法もあります。手袋タイプのブラシが抱っこする必要無く、ケージ内で撫でてあげる延長線上でできるのでおすすめです。
ケージ内で行うとうさぎの逃げ場がなくなってしまうので、出来ればケージから出して部屋ん歩するエリアとは別の場所で行ってあげると良いです。
この場合も終わったらおやつをあげるようにしましょう。
お店でやる場合の料金は?
どうしても嫌がる、ブラッシングが面倒という人にはお店でやるという選択肢もあります。
うさぎが嫌がってやらせてくれない悪循環に陥ったり、飼い主が忙しくて中々ブラッシングすることが出来ず病気になってしまうくらいであればお店に任してしまう方が効率的で綺麗に行うことが出来ます。
料金としてはだいたい10〜15分で、爪切りもついて1,000円程度のところが多いようです。うさぎの毛の状態や換毛期などで値段が変わって来るようですが、それでも2,000〜3,000円程度なので任せてしまうのも一つの手かもしれません。
エサやトイレ用品などの補充と一緒にお財布と相談しながら行ってしまうのも、うさぎに愛情を注ぎ続ける上で必要かもしれませんね。