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【ボトルと皿どっちがよい?】うさぎに与える水の量と飲ませ方

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【ボトルと皿どっちがよい?】うさぎに与える水の量と飲ませ方

水を与えない方が良いとも言われるうさぎですが、これは古い考え方で現在の飼育環境では与えた方が良いと言われています。

最初の項では、与える水の量はどれくらい?どれくらいの頻度でどのように与えれば良いの?という飼い始めの方向けの内容となります。

後半は水を飲まない子や飲みすぎる子、あげ忘れや飲み方が下手な子への対策、対応をまとめました。

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正しい水の与え方は?

少しでもうさぎには幸せに暮らして欲しいものですが、良かれと思ってやったことがうさぎにとっては良くない可能性もあります。

正しい水の与え方を一緒に学んでいきましょう。

水道水で大丈夫?

基本的に水道水で問題ありません。むしろ水道水の方が良いと言えます。

水道水はカルキ抜き、煮沸して塩素を飛ばした方が良いのではないか気になるかと思いますが、特に行う必要が有りません。

塩素を飛ばしてしまうと殺菌作用が落ちる為、水が長持ちしなくなくなります。塩素自体は微量でうさぎに影響があるわけではなく、こまめな水換えが難しい場合は行わない方がよいでしょう。

ミネラルウォーターなどの硬水

少しでも良いものをと、市販の天然水やアルカリイオン水、ミネラルウォーターなどの硬水を与える人がいますが、これは最も良くありません。

硬水にはカルシウムなどのミネラルが多く含まれているためうさぎの飲み続けることで身体を壊してしまう可能性が有ります。

浄水器やウォーターサーバーでも、軟水で有り、純水なものであれば問題ありませんが、上記のようなミネラルを追加するもの、含まれているものは飲み水として適さないので避けましょう。

おすすめの水

一番良いとされているのは、市販されているうさぎ専用の水になります。腐りにくく、余分なミネラルなども調整して減らしてあるため、安心して与えることができます。ただし、毎回費用がかかるのでお財布と相談が必要ですね。

次に手頃なのは、軟水で余分なものが含まれていないタイプのウォーターサーバーを使うことです。事前に成分を確認したものであれば、毎回そのまま使うことができますし、腐りにくくできていますので、交換も1日一回で問題ありません。

最低でも半日に一回水を変えられるのであれば、浄水器やカルキ抜きした水道水を使うのも良いでしょう。

どれも難しい場合には水道水を日常的にあげても問題ありません。

水に溶かすタイプの粉末

水に溶かして乳酸菌やビタミンを追加接種出来るものや、アクアコールのようなうさぎ用の傾向飲料水もあります。

うさぎはビタミンを体内で生成出来るのでビタミンは必要ありませんが、乳酸菌はお腹の調子が悪い時に動物病院と相談して使うと良いでしょう。

アクアコールはブドウ糖などが含まれているため日常的には使えませんが、吸収率が非常によく、甘いことでうさぎも喜んで読むことが多いので、運動後やブラッシング後のご褒美に使うと良いかもしれません。

置き皿と給水ボトルどちらが良い?

水入れの容器はどのようなものが良いのでしょうか。

代表的なものとしては床に置く皿タイプのものと、ケージに固定する給水ボトルのものがあります。個体によって様々ではありますが、筆者のおすすめとしてはケージに固定出来るボトルタイプのものになります。

床に置く皿タイプのものだと、うさぎが皿をひっくり返して水をこぼしてしまったり、水に毛や糞が入ってしまうことで衛生的に保てない可能性があるからです。

身体に水が付いた場合は皮膚病のリスクもありますし、換毛期のような毛が大量に抜け落ちる時期は、水落ちた毛をそのまま飲み込んで毛球症になってしまう可能性も考えられます。

ボトルタイプであれば衛生的に保つことができ、うさぎが飲んだ量もわかりやすくなる点でおすすめです。

その他の給水器

うつわのタイプとしては他に、ケージに固定するタイプの皿や、飲む分だけ自動的に水が出て来るタイプのもの、床に置くタイプも陶器で出来ていてひっくり返せないものもあります。

ケージに固定するタイプの皿は、口や身体が小さくボトルが飲みづらい子、頭をあげるのが厳しい高齢のうさぎなどに適しています。床に置くタイプよりは衛生的ですが、完全に毛などが入ることを防げるわけではなく、飲んだ量がわかりにくい点もあり、ボトルの次におすすめで、うさぎによっては選択肢に入るという感じです。

自動で出て来るタイプは衛生的で便利ですが、結局1日に一回は水を取り替える必要があり、大きいためケージ内で場所を取り、高価なためそこまで必要では無い気がします。

置き型の陶器はひっくり返すリスクが減りますが、結局毛や糞が入ってしまうこと、うさぎが蹴ったりなどで物音がしやすいこと、ケージの中で場所を取ってしまうためケージサイズと相談しないといけないこと等、あまりおすすめしません。

水の温度は常温で大丈夫?

基本的に常温で問題ありません。夏の暑い時期だと温度が高く熱中症の恐れがある場合にも氷等は入れない方が良いでしょう。急激に冷たい水がお腹に入ることによって、お腹の調子を悪くしてしまう可能性もあります。

どうしても気になる場合は冷蔵庫で少し冷やす方法もありますが、それよりも夏は水が腐りやすいためこまめに水替えしてあげる方が大切です。

うさぎは寒さに強い生き物ですので冬は寒いからと温めてから与える必要もありません。

基本的には夏も冬も部屋の温度を適切に保ち、常温で与えるようにしましょう。

どれくらいの頻度で交換すれば良い?

餌を与える朝と晩(夜でも可)の12回、一緒にお水も交換してあげると良いでしょう。

最低でも11回、夜に取り替えてあげれば問題ありませんが、夏場など水が腐りやすいような時期は頻度を上げ、半日に1回交換する方が安全かと思います。

ボトルは毎回赤ちゃんの哺乳瓶用のブラシなど中が磨きやすいもので洗剤を使わずに洗ってあげると衛生的に保つことができます。

何時間かに1回変えないといけないものでもないので、何日も変え忘れると言う事は避け、必ず毎日取り替えましょう

どれくらいの水の量を与えれば良いの?

1日に与える水の量としてはどれくらいが適切なのでしょうか。基本的に1日に与える水の量として適量は体重100gに対して5〜10mlと言われています。

そのためネザーランドドワーフのような体重1kg程度のうさぎであれば1100ml前後が適当な摂取量となります。またその他の2kg程度のウサギであれば適量は200ml程度になるでしょう。

ボトルいっぱいに水を入れておいて、交換時に全ての水を入れ替える、飲んだ水の量をチェックするようにしましょう。

飲む水の量はあくまで目安でありそれ以上あげてはいけないと言う制限があるものではないです。暑い日はそれ以上飲むこともありますし、入らない場合にはそこまで飲まない日もあるでしょう。

あまりにも長い期間飲まない、いきなり飲む量が極端に少なくなった場合をのぞき、そこまで気にする必要ありません。ただし心配であれば動物病院で相談をすると良いでしょう。

あんまり水を飲まない子はどうすれば?

水を飲まない、飲む量が少ない場合、よく観察して原因を確認しよう。

飲んでいない理由によって行うべき対応は変わってきます。

飲み方のしつけ、教え方

飼い始めや生後間もない子、給水器を変えた場合、水の飲み方を教えてあげる必要があり、教え方としては、どうやったら水が出てくるのか実際に見せてあげるという方法になります。

ボトルの場合、実際にノズル下のボールを指で押して水が出てくるところを見せてあげてください。餌を変えるタイミング等で構いません。

どうしても飲まない場合、水を飲むこと自体が習慣化されてない場合もあり得ます。その場合はアクアコールや、100%りんごジュースを3倍以上薄めたものを与えて飲みやすくするのも手です。23日かけて水に切り替えて行く方法ですが、最終手段にした方が良いでしょう。

なかなか覚えなかったり苦手な子もいますが怒ってはいけません。しつけは根気強く行いましょう。

給水器の設置位置、高さが悪いのかも

給水器の設置位置が高すぎるとうまく飲めない子がいます。うさぎが無理のない体制で飲める高さまで、ケージへの固定箇所を下げてあげてください。

たまに頭を上げて飲むのが苦手な子、嫌いな子がいます。その場合はケージに固定するお皿タイプのものを使うと良いでしょう。頭を下げた自然な姿勢で水を飲むことができます。

飲みやすい姿勢、その子にあった給水器に変えることでしっかりと水を飲んでくれるようになる可能性があります。

どうしても飲まない場合

容器やあげ方を変えても飲んでくれない、飲む量が少ない場合には、普段のエサで水分が十分に取れている場合と、身体に不調がある場合があります。

ペレットや牧草しかあげていないのに水を飲まないという場合はうさぎの体調チェックをしましょう。特にお腹が張ってないかを注意すると良いです。ガスが溜まっていたり、お腹に水が溜まっている場合は病院に連れて行きましょう。

見た目ではすぐに分からないがエサをあまり食べなくなっているという場合や、突然水を飲まなくなったという場合も体調が良くない可能性が高いので病院に行った方が良いです。

人参などの野菜も与えている場合はエサだだけで十分な水分を摂取できている可能性があります。

この場合は無理に飲ませる必要がありませんが、ペレットや牧草の方が偏りなく必要な栄養を摂取出来ますので、自信がない場合は牧草とペレットメインに切り替えた方が無難です。

飲む量には個体差がありますので、日頃から飲む量を確認しておくようにし、うさぎの変化に気づけるようにしましょう。

飲みすぎは病気の可能性も?

水を飲みすぎる、がぶ飲みするという場合は病気の可能性があり注意が必要です。

個体によっては日頃から水をよく飲む子や、夏の暑い時期や引越しなどで飼育環境が変わった際には飲む量が増えることもあります。

特に変化は無いのに突然水を大量に飲むようになり続くようであれば、下記の病気の症状がないかチェックしてみて下さい。

考えられる病気と対処法

飲む水の量が多い場合、まずは便の状態を確認しましょう。下痢や軟便の場合には腸の病気になっている可能性があります。

他にも慢性腎不全、肝不全、糖尿病、毛球症、うっ滞、陽性毒血症、粘液性陽疾患の可能性が考えられるので、それぞれの病院の症状に当てはまるかもチェックしてみて下さい。

それぞれの詳しい症状やサインはうさぎがなりやすい病気のサインを見逃すな|13の症状と対処法をご確認ください。

どれかの症状に当てはまったり、あまりにも水を沢山飲むようであれば動物病院に行くことをおすすめします。

こんな時どうする?給水の悩みの対処法

他にも給水に関する様々な悩みをまとめてみました。

皆さんの悩みが少しでも解決できれば幸いです。

水をあげ忘れてしまった

刈草を与えていた昔の飼育環境であれば水を与えなくても良いと言われていたうさぎですが、ペレットや牧草をメインで与えている現在の飼育環境では飲み水が必須です。

半日程度であれば心配ありませんが、1日まるまる水を与え忘れた等であれば動物病院に連れて行き先生に相談した方が良いでしょう。

あげ忘れくらいで死なないだろうと放置せず、大事をとった方が無難です。

飲む時の音がうるさい

飲むときの音がうるさいようであればうまく給水ボトルから飲めてない可能性があります。

飲み方が下手な子はノズルを噛みながら飲んでいることでガチャガチャうるさい場合もあります。細めのノズルのものに切り替えるか、飲み口がお皿になっている固定式の給水器に変えると良いでしょう。

飲んでいてキュルキュル音が鳴っているようであれば、給水器の飲み口が劣化してボールとノズルがうまく噛み合っていない可能性があります。新しい給水器に変えると良いでしょう。

飲み水をこぼす、ひっくり返す

ボトルタイプで水をこぼすようであればうさぎの口のサイズに対してノズルが長すぎる、太いもしくは細い可能性があります。

給水器が古い場合にはそもそもボールとノズルが噛み合っておらず水漏れしている可能性もあります。

ウサギが飲んでいるときの様子を観察し、合わないようであればノズルのサイズが違うものを購入しましょう。

お皿タイプを使っていてひっくり返してしまう場合は固定式のものに切り替えましょう。飲んだ水の量がわかる点でボトルでの給水をお勧めしますが、ボトルのノズルが苦手な場合は、下向きで飲める固定式のお皿を使うと良いです。

飲む時にくしゃみをする、身体に付いた

うさぎが水を飲んでいるときにくしゃみをする、むせるようであれば、水が鼻に入っている可能性があります。

飲むのが下手なだけの可能性もありますが、給水機の高さを変えてあげても改善されないようであれば下向きで飲めるお皿タイプの固定式に変えてあげましょう。

目や耳、前足に水がかかる、又は置き型の皿の場合で水に浸かる場合も同様に固定型の皿に変えた方が良いです。うさぎの肌に水がかかると皮膚病になる可能性があり、ストレスがかかります。

お風呂なども極力避け、しっかり乾かす必要があるほど身体が水で濡れることは避けるべきことなので注意しましょう。

ちなみに、うさぎはものを吐けるような構造に身体がなっていないため、万が一吐いているようであれば病院に連れて行きましょう。その場合、吐いたものを拭き取るなどして一緒に持っていくと良いです。

お出掛け時のキャリーやうさんぽの時は?

外出の際にはキャリーケースに入れて連れて行くと思いますが、キャリーケースにも給水ボトルがつけられるようになっています。外出が長い場合や、外が暑い場合には給水ボトルをつけて出ましょう。

また、うさんぽなどの場合は水筒を持ち歩き、こまめに与えるようにすると良いです。人間と兼用ではなく、うさぎの為だけのものを持っていきましょう。

術後の流動食、強制給餌について

術後や寝たきりで中々水やエサを飲められない状態の場合はシリンジを使って、水や水でふやかしたエサを流動食として強制給餌することもあります。

動物病院でやり方を教えてもらえると思いますので、しっかり聞いて指示に従いましょう。