わたし寂しいと死ぬの?
全くの嘘じゃが火のないところに煙は立たん
うさぎは寂しいと死ぬと聞きますが、忙しい自分でもうさぎが飼えるか心配ですよね。
うさぎが寂しくないよう、2匹目を飼う人までいるほどですが、実はこの俗説全くの嘘。
むしろ、うさぎは多頭飼いに向かないペットと言えます。ただ、噂が広まったにも原因が。
この記事では、噂が広まった原因と、多頭飼いのやり方、注意点をまとめました。
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うさぎは寂しいと死ぬ?
うさぎは寂しいと死んでしまうと言う俗説がありますが、これは全く根拠がありません。
むしろ狭いケージに複数のうさぎを飼うとストレスが溜まり、体調崩す原因にもなります。
何故このような噂が立つようになったのでしょうか。
じつはこの噂、明治時代、空前のうさぎブームが到来したことに原因があります。
あまりの人気に、うさぎを飼うための税金が取られるほどのブーム。
沢山売りたい販売人は、少しでも多く売るために嘘をついてしまいました。
「うさぎは寂しいと死んでしまうから複数飼った方がよいですよ」と。
実際に死ぬ子が続出?
ウソが本当になったってこと?
いや、死因は寂しいからではないぞ
さて、ただの嘘ならすぐ鎮火しそうなものですが、根強く残っているにはわけがあります。
実際に朝まで元気だったうさぎが、夜帰ると、急死してしまっていることがあったのです。
こうなると一気に真実味を帯びてきますが、この原因は寂しいからではありません。
自然界では弱いものから命を狙われるため、うさぎは体調が悪いことを隠すのです。
今ほど、うさぎの飼育について、知識が普及していない時代。
正しい繁殖や飼い方もされず、病気のサインも知られていませんでした。
身体の弱い子も売られており、飼い主も病気に気づかない。
結果的に、元気だったのに突然死んでしまった、ということが起こり得たのです。
何故今でも言われるの?
なんでこんなに知られているの?
ドラマとうさぎの修正のせいじゃ
最近は身体の弱い子が出回ることも少なくなってきましたが、未だに根強いこの噂。
広く知られているのには、2つの原因があります。
一つは1993年に大ヒットした「一つ屋根の下」というドラマ。
「うさぎって寂しいと死んじゃうんだから」というセリフがあり、一気に広がりました。
もう一つが、うさぎが24時間の絶食に耐えられず、環境の変化に弱いこと。
うさぎは飼い始めるとき、2週間ほどかけて家に慣れさせていく必要があります。
しかし、それを知らずにいきなりベタベタ触ったりすると、ストレスで体調を崩すことが。
結果的に食欲を無くして、元気が無くなってしまったり。
餌をあげ忘れて、帰ってくると急死しているということがあるのです。
結局忙しいと飼えない?
忙しいと飼えないじゃん
いろんな対策があるぞい
じゃあ、結局忙しいと飼えないのか、というとそうではありません。
現在では自動給餌器やペットホテルがあります。
出張などで家を空けがちな人でも、非常に飼いやすくなったと言えるでしょう。
また、うさぎの主食は牧草とペレットですが、牧草は食べ放題で与えます。
多めに入れておけば、帰りが遅くなる場合も対策できるでしょう。
家に迎え入れるときの手順さえ知っておけば、楽しいうさ生活をスタートできます。
ちなみに、あまりにも忙しく、殆ど家にいないという人は、ペット自体が無理でしょう。
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2匹目を飼う注意点
うさぎは寂しくても死なないので2匹目を飼う必要はありません。
何匹かを一緒に飼うと激しい喧嘩をすることもあり、飼わない方が良いとも言えます。
うさぎは可愛らしい見かけからは想像できないほど、縄張り意識が強いからです。
一見仲良く暮らしているように見えても、相当なストレスを感じていることがあります。
それでもうさぎを沢山飼いたいという人は、多頭飼いの注意点を把握しておきましょう。
ケージを分けないといけない
他人と同じ部屋なんて嫌
人間でもルームシェアは上手くいかんからのう
ペットウサギの原種であるアナウサギは、野山で群を作って暮らしています。
しかし、群は血縁を中心に強く結びついた仲間だけ。他のうさぎには非常に排他的です。
常に巣穴の周りをパトロールし、盛んに臭い付けをして縄張りをアピールする程です。
うさぎがストレスを感じないようにするため、ケージを分ける必要があります。
相性を考える必要がある
どうしてもあの子が好きになれない
相性を次第では血を見るからのう
生後3〜4ヶ月過ぎになると縄張り意識が強くなります。
特にオス同士の喧嘩は激しく、その喧嘩の傷が原因で死亡することもある位です。
メス同士も相性が悪いと弱い方がいじめられ、オスも顔負けの喧嘩の激しさです。
いきなり一緒にするようなことはせず、相性によっては別の部屋で飼う必要もあります。
愛情が分散する
あの子ばかり可愛がられてずるい
1匹で飼育した方がなつきやすいのじゃ
うさぎはコンパニオンアニマルとして、人間と仲良しになれる動物です。
でもそれは飼い主さんが十分に愛情もって接し、しっかりしつけもできた場合。
複数飼育して愛情が分散すると、懐いてくれないこともあります。
1匹で飼育すれば毎日の管理も楽。人にも慣れやすいので可愛さもアップします。
1匹のうさぎに愛情をたっぷり注ぎ、しっかり信頼関係を作っていきましょう。
性別ごとの2匹の相性
多頭飼いの注意点は把握できましたか。それでも複数飼いたいという人もいるはず。
飼育スペースにゆとりがあり、世話も出来るなら、多頭飼いに挑戦しても良いでしょう。
このとき大事なのが2匹の相性です。性別ごとにも相性の良し悪しがあります。
間違った組み合わせで飼育してしまうと、喧嘩や増えすぎるなどの問題がおきます。
また、相性の良い組み合わせでも仲が悪そうなら、別々のケースで飼う必要もあります。
オス同士
オス同士の喧嘩は血が流れるよね
絶対にやってはいけない組み合わせじゃ
オスのうさぎは特に縄張り意識が強く、同じ空間で飼育するとひどい喧嘩をします。
去勢すると喧嘩を避けられるという話もありますが、喧嘩をするうさぎもいるようです。
別々のケージに入れて離して飼っても、お互いが気になってストレスが溜まるばかり。
もし2匹目を飼う場合、オス同士は避けた方が良いでしょう。
どうしてもオスを複数飼う場合は、お互いに顔を合わせないように部屋を分けましょう。
サークル内で遊ばせる時間や、行動できる範囲もずらす必要があります。
メス同士
メス同士は比較的仲良しだよね
相性次第じゃのう
メスはオスほど攻撃的ではないので、多頭飼いをしたい場合はメス同士をお勧めします。
メス同士で相性が良い場合は、さほど問題なく同じ部屋で飼うこともできるでしょう。
ただしメスにも縄張り意識はあるので、別々のケージで1匹ずつ飼うのが無難です。
また、メス同士でもひどい喧嘩をする場合がありますので、注意してください。
相性が悪い場合は、オス同士に負けないほど激しい喧嘩をすることもあります。
いつまでも仲が良くならない場合は、ケージを離して飼うようにしてください。
オスとメス
オスとメスなら喧嘩はないわ
その代わり、際限なく増えるぞい
オスとメスは激しい喧嘩をしないので、同じケージで飼うこともできます。
ただし、去勢・避妊手術をせずに同じケージで同居させると、どんどん増えてしまいます。
うさぎの妊娠期間わずか1ヵ月で、赤ちゃんうさぎは生後1ヵ月半もすれば完全に乳離れ。
メスは年に何度も出産することができる上、一度に4〜10匹もの赤ちゃんを産みます。
去勢・避妊手術を施すか、繁殖をさせる時以外は別々のケージで飼うのが無難です。
繁殖させたい時だけ、同じケージへ移すようにしましょう。
2匹目を迎える手順
相性を十分に考慮した上で2匹目を迎え入れたら、正しい手順で迎え入れましょう。
少なくとも1ヶ月はかかる長い道のりですが、手順を飛ばすと悲惨な結果になります。
うさぎは新しい環境に敏感な動物ですので、どちらもうさぎにも十分な注意が必要です。
十分な時間をかけ、ひとつずつ段階を追って確実に進めるようにしましょう。
お互いにケージに入れたまま様子を見る
まずはケージを分けて様子見ね
ケージ同士も話した方が良いぞ
メス同士でも、2匹をいきなり同じサークル内で遊ばせてはいけません。
別々のケージに入れて離した位置に置き、相手の存在に慣れさせましょう。
新しいうさぎが環境に慣れる、2〜3週間はしっかりと様子を見る必要があります。
世話・遊びは新しいうさぎを後に
なんでも先住うさぎが先ね
上下関係が崩れると不安になるのじゃ
新入りうさぎの方が立場は弱いものです。
世話や遊びなど、どんなことでも元からいたうさぎを優先させるようにしましょう。
新しいうさぎを先にしてしまうと上下関係に混乱が生じます。
病気を持ってないか確認する
病気が感染したら大変
それぞれ手を洗ってから触るのじゃ
新しく迎えるうさぎは、病気を持っていないかどうかに注意しましょう。
伝染するような病気を持ったうさぎだと、先住うさぎに感染してしまう可能性もあります。
2〜3週間して新しいおうちにも慣れてきたら、動物病院で検診を受けるようにしましょう。
慣れてきたら同じ部屋で遊ばせる
慣れてきたらご対面ね
注意して見ておく必要があるぞい
メス同士の場合、お互いの存在に慣れてきたら、同じサークル内で遊ばせてみましょう。
喧嘩などのトラブルも十分考えられますので、危険を感じたらすぐにケージへ戻します。
うさぎは意外にフレンドリーでない場合が多いので、注意して観察してください。
相性が良ければケージを隣り合わせに
相性が良ければお隣さんね
無理に近づける必要もないがの
同じサークル内でも仲良く遊ぶようなら一安心です。
とは言っても、同じケージで飼うのは避けるべきでしょう。
別々のケージに入れて、隣り合わせで飼う位が丁度いい距離感です。
繁殖した兄弟の場合
兄弟同士でも同じケージはダメね
4〜5ヶ月で繁殖可能になるからのう
同じ母親から生まれた仔うさぎ達は、一緒に飼ってもよさそうな気がします。
しかし同じケージで飼うと兄弟姉妹間でも繁殖し、ねずみ算式に増えていきます。
そうなるのを防ぐため、成熟する前に離すようにしましょう。
赤ちゃんうさぎは母親のおっぱいを吸って、みるみるうちに大きくなります。
生後4〜5ヶ月もすれば、仔うさぎたちは早くも性的に成熟。
簡単に繁殖してしまうので、別々のケージで1匹ずつ飼うか、誰かに譲るようにしましょう。
- 普段は別々の離したケージに
- 交尾させる時だけメスをオスのケージに
- 交尾が終わったら離した別々のケージに戻す
- 離乳まで母うさぎと仔うさぎは一緒のケージ
- 仔うさぎも性成熟を迎える前に別々のケージに移す
MEMO生後1週間ほどで耳の穴、10日もすれば目が開きます。
生後3週間位から大人と同じ食べ物を食べ始め、1ヵ月半ほどで乳離れします。
まとめ
うさぎは寂しいと死ぬと言われますが全くの嘘。
飼い主さんが忙しい場合でも、ちゃんと対策を行えば飼うことができます。
寂しくないように2匹目を飼う必要は無く、むしろうさぎに多頭飼いは向いていません。
多頭飼いをする際には、メス同士が一番おすすめの組み合わせです。
迎え入れる際には正しい手順で2匹を慣れさせ、難しい場合には離して飼育しましょう。